
企業が競争力を向上させるには、即戦力となる人材の採用(即戦力採用)が不可欠です。
近年では、多くの企業が、ポテンシャルを重視した新卒採用だけでなく、即戦力として活
躍できる人材を確保するために中途採用にも注力しています。本記事では、即戦力採用が
求められる背景と、即戦力採用を成功させる3つの方法をご紹介します。
なぜ「即戦力採用」が求められるのか

そもそも企業において、なぜ「即戦力採用」が求められているのでしょうか。まずは、その背景・理由について解説します。
採用市場の競争が激化している
日本では、少子高齢化による労働力人口の減少に伴い、採用市場における企業間の人材獲得競争が激しくなっています。自社に適した人材の採用が困難になっており、必要な人員の確保がますます難しくなっているのが現状です。
厚生労働省が発表した「一般職業紹介状況(令和6年12月分及び令和6年分)について」によると、令和6年12月の有効求人倍率は1.25倍となっています。つまり、求職者1人に対して1.25件の求人があるということです。
求人数に対して求職者が少ない状態で、企業の採用が厳しい状況であることを表しています。
採用市場の競争が激化している状況下では、企業は人手不足に陥る可能性が高くなります。
人手不足に陥った企業では、人材育成に十分な時間と労力を割けないため、即戦力人材の需要が高まります。即戦力人材を採用すれば、入社後すぐに企業の成長や問題解決などに貢献してもらうことを期待できるでしょう。
参考:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和6年12月分及び令和6年分)について」
転職市場が活性化している
働き方改革の推進に伴い、ワークスタイルの多様化が進んでおり、一つの企業に長年勤務するという従来型のキャリアパスは変化しつつあります。近年では、多様なキャリアや働き方を追求し、積極的に転職を検討する人材が増加している傾向があります。
優秀な人材が新たなキャリアの場を求めるケースが増加し、転職市場が活性化している現在の状況は、即戦力採用に適したタイミングといえるでしょう。
育成コストを削減できる
新卒で入社した従業員と中途入社した即戦力人材とでは、育成コストに大きな差が生まれます。新卒で入社した従業員を育成する場合、人的なリソースを割いて、専任の担当者をつける必要があります。また、転職を前向きに検討している人が増えている昨今では、新卒から育成したとしても、長く企業に残ってもらえるとは限らないでしょう。
一方、即戦力となる人材は、すぐに実務で活躍することが期待できます。新卒の従業員と比べ、採用後の育成コストや手間はほとんどかからないでしょう。
即戦力採用を成功させるポイント

即戦力採用を成功させるには、以下ポイントを押さえる必要があります。
- コンピテンシーモデルを把握する
- 採用プロセスを柔軟に設計する
- 自社の魅力をきちんとアピールする
- 人材を見極める力を強化する
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
コンピテンシーモデルを把握する
コンピテンシーモデルとは、自社で活躍している従業員の性格や行動特性などを分析したものです。分析結果と同じ特徴を持っている人物を、自社の理想的な人物像と考えます。すでに実績のある従業員の特徴を基準に採用活動を進めれば、即戦力としての活躍が期待できる人材を見極めやすくなるでしょう。
採用プロセスを柔軟に設計する
優秀な即戦力人材は、複数企業の選考を並行して進めているケースがほとんどです。選考に時間がかかる企業は、採用したい人材と出会えても、選考をスピーディーに進める他社に先を越されてしまう可能性が高くなります。
また、面接日程がなかなか決まらないと、候補者のモチベーションが低下することも十分に考えられます。その結果、候補者がより迅速に選考を進める企業への入社を選択するケースもあるでしょう。
オンライン面接を導入すれば、日程調整にかかる負担を大幅に軽減できます。また、面接日程を候補者の都合に合わせて平日の夜や土曜日にする、選考回数を必要最小限に抑えるといった対策も効果的です。面接の結果は1~2日以内を目安に、すみやかに通知することで、候補者の選考離脱リスクを低減できます。
自社の魅力をきちんとアピールする
即戦力人材を採用するためには、自社の魅力をアピールすることが重要です。自社の強みや特徴を明確に分析し、それらを対外的に発信することで、優秀な人材から応募してもらえる可能性を高められます。
人材を見極める力を強化する
即戦力になる人材を採用するためには、採用担当者の教育も必要です。候補者を的確に評価し、「自社で即戦力として活躍できるか」を見極めるための知識や能力を強化しましょう。
なお、書類に記載された実績・スキル・経験が募集ポジションの要件と合致しているかを確認する際は、以下の項目をチェックする必要があります。
実際の面接では、書類に書かれているスキルがどの程度のレベルなのか、そのスキルをどのように発揮したのかなどを確認します。候補者が即戦力人材かどうかを面接で見極めるために、事前に採用面接の模擬トレーニングを実施し、適切な質問の仕方を学んだり、候補者の回答に隠された本音を見抜く力を高めたりする取り組みも重要です。
即戦力人材を採用する3つの方法

ここでは、即戦力人材を採用する方法を3つご紹介します。
1.データドリブン採用
データドリブン採用とは、採用担当者がさまざまな情報源から収集したデータの分析結果を活用する採用手法です。活用するデータの例としては、履歴書や適性診断・性格検査の結果などが挙げられます。
データドリブン採用のメリットは、データ分析の結果をもとに最適な候補者を選出できる点です。数字や事実に基づいた候補者を分析するため、公正な評価が可能です。
なお、データドリブン採用では、データ分析ツールを扱うスキルが求められます。採用担当者のスキルが不十分な場合、収集したデータを効果的に活用できない可能性があります。
2.リファーラル採用
リファーラル採用とは、既存従業員から人材を紹介してもらう採用手法です。候補者の人柄や経歴、スキルなどについて、ある程度の情報を得た状態で選考を進められます。
リファーラル採用のメリットは、自社に適した即戦力人材を採用しやすい点です。しかし、紹介を前提とするため、優秀な人材を継続的に獲得したい場合には課題が残るでしょう。
3.スカウト型採用
スカウト型採用とは、求める人材に企業が直接アプローチする採用手法です。企業は、スカウト型の転職サービスや人材データベースなどを通じて人材を探します。
スカウト型採用のメリットは、理想的な人材に直接アプローチでき、効率的な採用活動が可能となる点です。一方で、人事部門や採用担当者の業務負荷が増加するという課題もあります。
ビズリーチの「お試し検索」では、全国47都道府県の即戦力人材を探すことができ、業種・職種などから候補者の人数を把握することが可能です。さらに、候補者数のデータを分析することで、業界や採用市場のトレンドなども把握できるため、採用戦略を立案する際にも役立ちます。
例えば、候補者が少ない業種や職種では、採用の難易度を考慮し、企業側は待遇の向上や採用基準の見直しを進めることが想定されます。
また、条件ごとの候補者数を分析することで、一定の層に対して企業が即戦力採用の基準を厳しくしている傾向などを読み取ることもできます。
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まとめ
採用市場における人材獲得競争が激化している昨今、入社後すぐの活躍が期待できる人材を迎え入れたいという視点から、即戦力人材の採用が求められています。即戦力人材を採用する代表的な方法には、「データドリブン採用」「リファーラル採用」「スカウト型採用」の3つがあります。
特に、「スカウト型採用」は、理想的な人材へ直接アプローチできるため、効率的な採用活動を実現できます。
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